生きとし生けるものたちの饗宴
2015, Mural
天井画: パネル上の布にペンとアクリル、20枚、サイズ 316×490cm
東久留米アートプロジェクトin 南沢氷川神社
Exhibition View
Text: 南沢氷川神社拝殿に天井画を描く
はるか昔、縄文時代より人々が暮らしを営んできた武蔵野平野。その一角をなす東久留米の地では、東京にしては珍しく、天然の湧き水が出る。
その湧き水の源流に、古来より湧水守護神として奉斎されてきた、南沢氷川神社という由緒深い神社がある。2015年、私はその南沢氷川神社の拝殿にて、「命の根源」をテーマとする、ひとつの天井画を制作した。
この天井画は東久留米アートプロジェクトの一環として展示された後、2017 年に正式に南沢氷川神社へ奉納された。現在は拝殿に常設展示されているが、祈祷などを受ける方のみに限定した公開となっている。
私は南沢氷川神社がある東久留米市に生まれ、幼少の頃からこの土地に湧く水を汲み、それを飲みながら育った。
だから、少なくとも私の身体の一部は、ここの水によってつくられている。
もちろん、水ばかりではない。私の身体の中を巡る血液と細胞、つまり私の血肉は、この土地を満たす水と土と風と太陽、そしてたくさんの生きものたちに抱かれている。この土地に生まれた私は、この土地によって、この土地の一部として、生かされている。
湧き水の源流に立ち、私を形作ってきたあらゆるものへと思いを巡らせていると、なぜだか無性に歌いだしたいような気持ちになった。
その歌は、今この星で私たちと場を共有するすべての動物たち、木々たち、草花たちとともに饗宴するための歌だ。
私はその歌を描こうと思った。絵を通して歌おうと思った。
これまで存在してきた、そして、これから存在するだろう、すべての生きとし生けるものたちとともに。
黄金色の森、原始の森
水の木、母なる海、月の満ち欠け
水の中で僕たちは森と同化する
こんにちは、地球
こんにちは、湧き水
こんにちは、おひさま
僕の身体は君たちからつくられている
ともに、大地の歌を歌おう
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